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Canyon Grail ALのインプレでもない雑記

  #自転車#グラベル

このバイクに1年以上乗ってきたので、色々とまとめておこうと思う。

Canyon のバイクは人を選ぶけど良いぞ

概要

モデル: Canyon Grail 7 AL 1by

アルミフレーム、フロントシングル、GRX 11速のグラベルロード。

2021年に購入して、価格は本体に加えて送料や税金込みの総額で20万円ちょっと。詳しく言えば多分23万円くらいかと。今(この記事を書いている2023年頃)みたいにガッツリ値上がりする前で、時期が良かった。

このモデルを選んだ理由としては、以下のような感じ。

というようなことの総合でこれを選んだ。

貸切状態のフェリーで島を渡る

全体的な感想

かなり満足している。グラベル楽しい。

このバイク、グラベルでの安定感がすごい。フレームがすごく頑丈なので、荒れた道を走ってもガッチリした感覚があってヨレずにガンガン走っていける。グラベルを走るという第一の目的は完全に達成されている。

ただその代償として10kgオーバーの重量があるので、舗装路や上りはちょっと弱い。速さを求めるなら硬いフレームとか言われるけど、このバイクはそういう硬さではなく頑丈さに振っているので、方向性が違う。豪脚であればこの硬さを活かせそうな気もするけど、自分には無理。

そしてこの頑丈なフレームは振動吸収性が弱い。太いタイヤを履いていればそこで緩和されるけど、舗装路向けの細いタイヤを履いているときは路面状況がダイレクトに伝わってきて疲れやすい。ヘタレライダーとしてはこれが一番のネックかも。 まぁロードバイク向けでも28c以上を履くのが普通の時代になってきて、太くて良いタイヤも増えてきたので、このあたりは何とでもなるところ。

Grail
相模川沿いのグラベルの入り口

ホイールとタイヤのサイズ

自分の体格に合ったフレームサイズを選ぶとXSサイズになって、このサイズだとデフォルトのホイールが650Bになったのが少し困る。

というのも、650Bではタイヤの選択肢がとても少ないから。特にクリアランス的に幅42mmまでのタイヤしか履けないので(あくまでメーカ推奨値ではあるけど)、各社から出ている幅広グラベルタイヤがほとんど利用不可なので、各メーカのタイヤを履き比べ、みたいなことができない。グラベルキングや IRC BOKEN PLUS といった選択肢は一応あるので、猛烈に困るというほどではないけど。

まぁでも、フレームとのバランス的にはこのタイヤサイズは正解と感じる。フレームが小さければホイールも小さい方が良い、というのは理にかなっている。ディスクロータも140mmサイズだったりするけど、これで不満はない。

それにしても、自分の身長は171cmと日本人の平均ぐらいなんだけど、これでサイズがXSになるとか、欧米人はデカすぎる。欧州ブランドの服を着たときにも感じるけど、手足の長さが全然違う。悲しいアジア人。

フロントシングル

フロントシングルは、普通に乗っている範囲ではそれほど困らない、というかむしろ快適。ギア選択に悩まなくて良くなったり、フロントのチェーン落ちがなくなったりと、メリットが多い。

ただ、細かくギアチェンジをしてケイデンスを一定にするみたいなことがやりにくかったり、最も重いギアがフロント42Tのリア11Tなので下り坂でギアが足りなかったり、とかはあるけど、タイムや順位を競うわけではないので気にしない。

個人的には、巨大スプロケで1:1のギヤ比が確保できていて、ほぼどんなところでも走破できれば実は何でも良い気がする。

その他

油圧ディスクブレーキはとても快適。軽いタッチでしっかりとブレーキが効くので最高。

Grail といえばカーボンフレームモデルの特殊な2階建てハンドルが有名。振動吸収性が良くて乗り心地が良いとか。 でもアルミフレームモデルは普通のドロップハンドルなので違う世界。

Grail
東京オリンピックの聖地である富士スピードウェイ

それで Canyon ってどうなの?

Canyon での購入を迷っている人は結構いると思う。個人的な感想としては、総合的にはかなり良いけど、人を選ぶといったところ。

Canyon はメーカ直販で購入するしかない。したがって Canyon のサイトから注文し、ドイツから個人輸入する形となる。消費税だけではなく関税がかかったり、色々と違う。(でも自転車本体は完全がかからないとか)

バイク自体は、7分組みくらいの状態で大きな箱(購入時に付けるBike Guard)に入って送られてくる。組み立てはハンドル等いくつかのパーツを取り付ける程度なので、マニュアルや動画を見てやれば苦戦するほどのものではなく、初心者でも実施可能。

ただ自分が組み立てたときは、以下のような不具合があったため、調整が必要だった。そのままでも乗れなくはないけど、乗りたくはない。

ドイツの工場で一旦組み立てて調整してからバラして送ってくるということだけど、調整具合はかなり微妙な感じ。ドイツの真面目っぽいけど実は適当なところがよく出ている感じ。まぁ輸送中の動揺や衝撃の影響で狂ったのかも知れないけど。

これらの調整は実際のところ難しいことではなく、ちょこっといじれば解決するレベルではあるけど、完全な初心者だとかなり困るはず。なので、完全な初心者にはおすすめできない。ショップに任せられればいいけど、Canyon はそこがなかなか難しい。

そもそもスポーツバイクは頻繁なメンテ・調整が必要なので、初心者が自分だけでやるのは厳しいところ。手順は動画で見られる時代とは言え、色々と工具も必要だし。

こういった懸念点はありつつも、モノとしては間違いなく良いので、そのあたりをどう判断するかだと思う。

個人的には、次にロードバイクを買うときにも Canyon にしよう、と考えているくらいには気に入っている。

Grail
河津桜と菜の花とGrail